「東大院生が考えたスマートフォンFX」のレビュー記事になります。
✔ 実践的なFXを学習したい
✔ チャートの値動きを体系的に把握したい
✔ 値動きに潜む大衆心理を理解したい
こんな方にはおすすめの一冊です。
私がFXを始めたのは2017年夏、この本を読んだのは2019年の夏ころでした。
始めの頃、本を読んだり有料商材を漁ったりしては、色々な学習をしていました。それだけだと、言葉の知識や手法の概念は頭に入っていても、「なぜチャートはこう動くのか?」の部分がいまいちわからないま時間を過ごしていました。
そのちょうど2年後…
「ここからは上に動くよね。…ほら!」
もちろん、自分の考えている事すべてが当たるわけではないんですが、節目節目で納得のいくトレードが増えていました。
本書の解説は、これまで「頭にいれた基礎知識」と、「実際のチャートの動き」を結び付けてくれているんだと気づきました。
この記事では、私の実践で役に立っている項目を挙げながら、本の紹介をしています。
チャート(値動き)への理解が進む5項目
本書から私が実践に役に立てている項目はこの5つです。
- 市場の営業時間を意識した見方
- テクニカルとファンダメンタルズ
- ハイレバレッジの考え方
- 「オアンダ」の使い方
- 副業に向いているトレード方法
どう役に立つのか、順番にみていきます。
市場の営業時間を意識した見方
あなたはFX市場の営業時間を意識してチャートを見たことがありますか?
本書では特に大きな3つの市場「日本、アメリカ、ヨーロッパ」について解説されています。
わたし達が日本に住んで生活(トレード)していることを考えると、
・日本 9:00→15:00
・ロンドン 17:00→1:30
・アメリカ 22:30→5:00
この順番で大きな市場が動きます。
各国の市場が、どの時間にどうやって動くのかを考えることができます。また、市場の営業時間が固定されているので、お金の動きも(通常は)パターン化されている事を教えてくれます。
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一例ですが(P68前後)、
昼間は値動きが静かなのに、夜寝てる間に相場が大きく動いていることが多いんだよね…と感じている方は多いのではないでしょうか?
ここで各国市場の営業時間を考慮してみると
・23時~1時:ロンドンとアメリカの2つの大きな市場時間が重なっている
・1時~3時:最大規模のアメリカ市場が最も活発に活動する時間帯
こんな感じで、日本の夜に世界中では、お金がたくさん動いています。
何かきっかけがあれば、チャートが大きく動くのは必然です。
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知識だけ入れた時:「日本、アメリカ、ヨーロッパ」が大きな市場だ
実践に役立つ考え:大きな市場の営業時間と値動きの関連性を意識してチャートをみる
学習の仕方によって、「知っているだけ」と「実践的に考える」は大きな違いがあります。
本書はここを教えてくれます。
テクニカルとファンダメンタルズ
FXの分析方法には、
・テクニカル
・ファンダメンタルズ
の2つがあり、FX人生の序盤で出会う言葉の1つですよね。
◆FXチャート分析のイメージ
テクニカル分析
=チャートの前に張り付いて行う分析
ファンダメンタルズ分析
=新聞や経済情報紙を読み漁って行う分析
どちらも初心者や副業プレーヤーにはできっこない行動で、やっぱりFXで稼ぐのは無理かもって…
そこで心折られそうなのは、本書(P159前後)を読むまでもう少し我慢しましょう^^
わたし達がFXとどう向き合っていくか、そのバランス感覚みたいな部分を教えてくれます。
ハイレバレッジの考え方
海外FX口座では大きなレバレッジをかけられるけど、その分リスクが大きくて危険…
◆最大レバレッジ
日本のFX会社:25倍
海外のFX会社:~1000倍
こんなイメージから、ハイレバレッジを避けているのなら、本書のP52~を読んでみるといいと思います。
「ハイレバ=ハイリスク」は誤解。この見出しで解説されています。
結論だけ紹介しておくと、
ハイレバレッジであるほど、少ない証拠金で取引ができる。つまり、少額取引ができるのです。リスクを高めるのは、取引の枚数です。(P54, 要約)
ハイレバの考え方に気づくとともに、投資リスクは決められたレバレッジの高さではなく、常に私たちの行動に起因しているという事を理解できます。
「オアンダ」の使い方
「オアンダジャパン」というFX会社を知っていますか?
オアンダジャパンのWebサイトでは、「オープンオーダー」を見ることができます。
他のFXトレーダーがどの価格で買っている(売っている)かを分布図にしているものです。
閲覧/利用は無料です。
オープンオーダーを読み解くことで、現状理解とトレードの方向性を決める根拠が持てます。
本書(P106前後)では、
・オープンオーダーの詳細
・パターン別 読み解き方
・裏にあるトレーダー心理
細かく教えてくれます。細かな注意は必要ですが、チャートの動きを追いかけるには必須項目です。
副業に向いているトレード方法
多くの人は、FXへのこんな思い込みがあるかもしれません。
◆FXをする人
=何台もならんだパソコンの前でずっとチャートを見てる人
FXをやるなら、できるだけ多くの時間、チャートを見て過ごす必要がある。
この点についても、本書はデイトレードを挙げて解説しています。(P154前後)
特に、最近の副業ブームから、副業としてFXを始める人が多くなっています。私もそうです。
本業がある時間はチャートを見ることができないから、たしかに不利なんですが、
それならその状況にあったトレード方法を教えてくれます。
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FX始めて間もない頃の私が、本書をよんでとても満足できたのはこの5項目です。FX実践において、格段にチャートの理解がすすみました。
FX自動売買でも本書の考え方が役に立っている話
◆トピック:
FX自動売買の運用にも本書をおすすめ!
◆理由:
トレンドの発生に気づく力が役に立つ
話は変わりますが、私のFXは自動売買がメインです。
2020年に初めて年間の運用益がプラスになり、2021年もここまで順調な成績が続いています。
(関連記事:【FX自動売買レビュー】AGEHa(アゲハ)【運用実績あり】)
そして運用益がプラスに転じた頃から、裁量トレードはほとんどしていません。
もちろん本書を読んだことが利益に直結しているかというと、それだけではないですが…
それでも私は、FX自動売買をメインで資産運用したい方へ本書をおすすめします。
自動売買は野放しにできない
FX自動売買システムの多くは、「ナンピン」と呼ばれる手法を使っています。私が使っているシステムも同じものです。(手法の説明はここでは置いておきます。)
ナンピン手法はチャートの値動きと逆行する形でポジションを取っていくため、相場にトレンドが発生した場合、とても不利な状況に陥ります。
トレンドが大きくなれば、強制ロスカットされてしまうケースもしばしばです。
例えば1000万円くらいの資金にあれば自動売買で完全放置もいいです。
しかし、副業でFXを始める方の資産は大体20万円~100万円ほどだと思います。システムが「自動」で売買してくれるといっても、野放しにすることはできないのが現実です。
順張りの考え方を応用する
本書ではトレンドに乗っかって利益を伸ばす順張りの手法を推奨しています。「ナンピン」のような逆張り手法は推奨していません。
順張りトレードを成功させるための考え方が詰め込まれています。
本書の考え方を理解していくことで、トレンドの発生に気づく力を学習できます。
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この点を自動売買の運用に置き換えて考えます。
トレンドの発生はナンピンに不利です。
それなら、トレンドの発生に気づきた時点でシステムをストップさせてしまいます。早い段階で損切の選択もできます。
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つまり私は、本書で学習したことを、自動売買の損失を減らすために使っています。
これは一例ですが、順張りとトレンドの考え方を理解して応用すれば、わたし達のそれぞれに合った応用が期待できます。
本書の概要
最後に本書の概要を紹介して終わりにします。
本の名前:東大院生が考えたスマートフォンFX
著者:田畑 昇人
発行所:扶桑社
初版:2015年2月16日
累計発行部数:10万部以上
もう6年も前に出版された本なんですね。
FXの学習方法や費やせる時間は、私たちの環境によってさまざまです。とにかくFXにコミットして猛烈に学習する人もいれば、副業がてらにFXをやっている人もいます。
FXを始めてどれくらいの期間かではなくて、FXの学習しているけど、いまいちチャートの理解が進まないな…
そんな方にとてもおすすめ!!1500円でチャートの理解が進む一冊です。
(逆に始めたばかりの方には、難しい部分もあると思います)
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こんなところで以上になります。
お試しください。